Amazonや楽天の口コミを見ると、ミライスピーカー・ミニは評価が悪いものも多くあります。「安いラジオみたいな音」「低音が効いていない」という厳しいレビューがある一方で、高齢の家族からは「テレビや情報番組が聞こえやすくなった」といったポジティブな口コミもたくさあります。一体なぜこのように評価が別れるのか、ミライスピーカー・ミニのデメリットと本当の魅力について解説します。
ミライスピーカー・ミニの7つのデメリット
ミライスピーカー・ミニの公式サイトと口コミの情報をもとに、オーディオ屋のフラットな視点でデメリットについて詳しく伝えます。
デメリット1:低音域の迫力不足
ミライスピーカー・ミニの周波数特性を調べると、250Hz〜20KHzの範囲であることがわかります。音楽鑑賞を楽しむ重低音が20Hz〜100Hzと言われているため、この製品では低音域の再生能力に限界があります。
ただし、ここで理解しておくべき重要な点があります。ミライスピーカーは本来、蓄音機の技術を現代に活かしたバリアフリー機器として開発されました。その目的は、高齢者や難聴者が会話の言葉をクリアに聞き取れるようにすることにあります。最新のダンスミュージックやハードロックの低音まで楽しむためのオーディオ機器ではないのです。
人の声の主要な周波数帯域については様々な見解がありますが、昔の携帯電話の300Hz〜3,400Hz程度の音声帯域でも日常の会話に困るものではありませんでした。人間が感知できる全周波数帯域(20〜20,000Hz)に比べると、非常に限られた範囲です。
この設計思想から、「昔のラジオのような音がする」という口コミが見られるのも納得できます。低音域の弱さは確かに大きなデメリットと言えるでしょう。
ミライスピーカー・ステレオは低音域も改善
最新のミライスピーカー・ステレオでは、従来のミライスピーカーホームでは250Hz程度だった低音域が、150Hz程度まで拡張されました。重低音の再生には至りませんが、低音域の向上が図られたことは特筆すべき改善点です。
デメリット2:奥行きに欠けるモノラル音
ミライスピーカー・ミニは、蓄音機の伝統をリスペクトした設計哲学を持っており、現代の2chステレオサウンドに慣れ親しんだユーザーには物足りなさを感じさせるかもしれません。テレビのステレオ再生が一般的になったのは1980年代以降であり、蓄音機や真空管ラジオの時代にはモノラルサウンドが標準でした。
モノラル音はストレオ音に比べると空間的な広がりや臨場感が限定的ですが、これは必ずしも欠点とは言えません。ヴィンテージサウンドを求める愛好家からは、その特徴的な音質が評価される場合もあります。
ミライスピーカー・ミニがモノラル再生を採用している背景には、蓄音機の音の独特の魅力を活かし、特に言葉の聞き取りやすさを狙った戦略の可能性も否定できません。
ミライスピーカーのステレオモデルも誕生
ユーザーニーズを捉えた結果だと思いますが、2023年10月20日にはミライスピーカー・ステレオも発売されました。モノラル音に物足りなさを感じるユーザーにとって、より豊かな音響体験を提供する選択肢が増えたことになります。
ミライスピーカーステレオはこちら
デメリット3:ワイヤレス接続はできない
令和のオーディオ機器ではワイヤレス接続が一般的になる中、ミライスピーカー・ミニが対応する入力は「3.5mmステレオミニジャック」のみという制約があります。
積極的に最新テクノロジーを取り入れる高齢者も増えており、Bluetooth接続やWi-Fi接続の機能を期待される場合もあるでしょう。こうした最新の接続方式に対応していない点は、確かにデメリットと言えます。
ただし、こうした制約には、わかりやすくシンプルな操作性といったメリットも隠れています。ミライスピーカー・ミニは、電源を入れてテレビやラジオのイヤホンジャックに接続するだけで、すぐに音声を楽しめる設計になっています。最新テクノロジーに不慣れユーザーにとっては、実は大きな魅力とも言えるかもしれません。
デメリット4:比較的高めな価格帯
最新の技術を搭載したスピーカーが1万円代で販売されるオーディオ市場において、3万円近い価格(2024年には19,800円に改善)は確かに割高に感じられるかもしれません。
しかし、ミライスピーカーの価格設定には興味深い背景があります。この製品は当初、企業や施設向けに少量生産されており、その際の価格は1台15万円という専門機器の水準でした。量産体制への移行と継続的な経営努力により、現在では一般消費者にも手の届く価格帯まで大幅に引き下げられたのです。
この価格水準に対して批判的な口コミがあることも理解できますが、元々の価格から考えれば、現在の値段は約1/5程度(2024年の価格改定で現在は約1/7程度)に改善されている点は評価すべきでしょう。
ミライスピーカーステレオの販売によっては19,800円に値下げされた
ミライスピーカーステレオが39,600円で販売されたことに伴い、従来モデルはミライスピーカー・ミニとして19,800円に値下げされました。
デメリット5:リモコンはない
ミライスピーカー・ミニには専用のリモコンが付属していため、音量調整は本体で直接行う必要があります。テレビを視聴中に一時的に音量を調整したい場合など、一部のユーザーにとっては不便に感じられるかもしれません。
ただし、テレビのイヤホンジャックに接続して使用する場合は、テレビ側の音量調整機能を通じてミライスピーカー・ミニのボリュームを間接的に調整することもできます。
つまり、テレビにリモコンがあれば実用的には問題ないケースも多いでしょう。
リモコンがない点は確かにデメリットの一つですが、実際の使用環境によっては問題視すべきことではありません。
ミライスピーカー・ステレオで改善も
ミライスピーカーステレオではリモコンも付属されています。
より高機能なミライスピーカー・ステレオでは、専用リモコンが付属されました、スピーカー操作の利便性を重視するユーザーにとって、大きな改善と言えるでしょう。
デメリット6:有線ケーブルは長くない
いわゆる「おてもとスピーカー」と呼ばれるスピーカーに比べると、ミライスピーカー・ミニの付属ケーブルは約1.5mと短いものです。そのため、机の上まで持ち運んで楽しむ視聴方法には適していません。
ミライスピーカー・ミニは、主にテレビの真横に設置することを想定されているものだと思います。その理由は、遠くに離れているユーザーにも届きやすい性能を持つことに起因するものかと思います。
おてもとスピーカーのように、スピーカー本体をユーザーの近くに設置する必要性がないため、一般的なケーブル長で充分なのではないでしょうか。
もし机の上に置いて利用したい場合は、イヤホンジャックの延長ケーブルを購入することで問題を解決することも可能です。
ミライスピーカーステレオでは光デジタル入力も対応
ケーブル長が長くなったわけではありませんが、ミライスピーカーステレオでは光デジタル入力にも対応するようになりました。
デメリット7:効果には個人差がある
ミライスピーカー・ミニの聴覚テストによると、約7〜8割のユーザーが効果を実感できたという結果になっています。しかし、これは裏を返せば、2割前後の方々は十分な効果を感じられなかったことを示しています。
人間の聴覚には個人差があるため、一つの技術や製品がすべての人におなじ効果をもたらすことは困難です。これはミライスピーカーに限らず、あらゆる製品に共通する課題とも言えます。
メーカーによる60日間の返金保証
こうした個人差による効果の違いを考慮し、ミライスピーカーは60日間の返金保証制度を設けています。もし実際に使用してみて効果を実感できなかった場合でも、返品が可能な制度を整えることで、ユーザーの不安感を軽減する工夫がなされています。
【公式】ミライスピーカー・ホーム 60日間返金保証
ただし、この返金保証は上記リンクの公式サイトからの購入に限定されており、Amazonや楽天市場などの通販サイトには適用されない点に注意が必要です。
ミライスピーカーの真の魅力とは

「音量上げずに、言葉くっきり」の革新的技術
オーディオ屋の視点から見ると、ミライスピーカーの真の価値は従来のスピーカーとまったく異なる点にあります。
「音量上げずに、言葉くっきり。」というキャッチコピーにまとめられうように、ミライスピーカーは老人性難聴に悩む高齢者を中心に高い評価を受けています。特許取得済みの「曲面サウンド」技術を採用したこのスピーカーは、テレビや情報番組の音声が高齢者の耳にもクリアに届くよう最適化されています。
大きな音量設定を必要とせずに言葉を聞き取りやすくなることで、難聴の方だけでなく、大音量に悩まされていた同居家族にとっても、耳が痛くなりにくい点で大きなメリットをもたらしています。
公共の場でも活躍するバリアフリースピーカー
ミライスピーカーは単なるスピーカーではなく、社会的バリアフリーを推進する先駆けとなる製品です。従来のオーディオ評価である音質の追求でなく、音声を聞き取りにくい高齢者や難聴者の生活の質を改善することが期待されています。
また、駅の構内やショッピングモールなど、雑踏のなかでの音声の聞き取りやすさにも効果が期待されており、公共スペースでの大音量の放送を抑止することにもつながるかもしれません。
難聴者にも健常者のどちらにとっても、ミライスピーカーの恩恵を受ける機会が今後は増えることでしょう。
誕生背景|蓄音機の恩恵を現代に活かす

ミライスピーカー誕生の背景は、音楽療法を研究していた大学教授の重要な発見から始まります。「蓄音機の音は、高齢や難聴のある人々にもはっきりと聞こえる」という話から、研究者たちはこの興味深い現象について探求しました。
その研究の結果、蓄音機のラッパの特異な形状にその秘密が隠されていることを発見したのです。これを基に特許技術「曲面サウンド」が開発され、1800年代に誕生した世界最古のスピーカーとも言える蓄音機の原理が、100年以上の時を経て最新のオーディオ機器に活かされるという技術の継承が、ミライスピーカーの誕生へとつながっています。
科学的なメカニズムの解明にはまだ至っていませんが、実際の視聴会では多くの難聴者から「聞こえやすさ」の向上が報告されており、経験則に基づく効果は高く評価されています。
アメリカでの販売開始と世界の課題解決へ
老人性難聴の問題は日本特有の問題でなく、世界各国が直面している社会的課題です。特にアメリカや中国をはじめとする多くの国々でも、少子高齢化の深刻化によるニーズが高まっています。
。2023年11月9日にはミライスピーカーのアメリカ市場での販売が開始され、世界的なバリアフリースピーカーとしての地位を確立する歩みが始まっています。世界的な社会課題の解決に貢献するミライもあるかもしれません。
口コミから見えてくる評価
Amazonに寄せられた2,243件(2022.12.27現在)の口コミを独自に分析すると、ミライスピーカーの評価は大きく二つに分かれていることがわかります。
良い評価のレビュー
☆☆☆☆☆聞こえやすい
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1OSTF2U6O1E5C/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B08766MXQK
今まで聞きづらかった音がはっきりと聞こえます。設置も簡単にすることができました。
☆☆☆☆★聞きやすいがモノラル
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1H51AEE3XUC44/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B08766MXQK
確かに聞きやすくなった。特に高音が聞きやすい。モノラルなので音の広がりがなく臨場感のないスピーカー。
普通の評価のレビュー
☆☆☆★★高音
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R4H9LJYW297Q5/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B08766MXQK
高音がよく聞こえます 老人にはいいと思う
音楽を聴くにはあんまりよい音ではありません
悪い評価のレビュー
☆☆★★★確かに良く聞こえるが音質が悪すぎる
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3J5UDGV1RQJFT/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B08766MXQK
評判が良かったので、試聴できないまま購入しました。確かに聞こえることに関しては問題ありませんが、何せ音質が悪すぎたので、使わずそのまま置いてあります。高音質版が出たら購入を再度検討はすると思います。老人向けには手元スピーカーの方が便利かとおもいました。
☆★★★★返品するつもりです
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R30WEARH6DB0YK/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B08766MXQK
安いラジオの音のようで、家族には不評です
結局、使ってないので返品したいです。
口コミから分析したミライスピーカーの実態
プロの目線でミライスピーカーに寄せられた意見をまとめています。一般のユーザーよりも信憑性のあるオーディオファンの目線からミライスピーカーについて解析します。
難聴者にとっては救世主のような存在
老人性難聴を抱える方にとって、ミライスピーカーは聴きやすいとの口コミが多く集まっています。テレビの音量が大きくなりやすい家族と同居している方にとってはミライスピーカーは魔法のようなアイテムと言えるかもしれません。
音質を期待する人からはマイナス評価も
音の臨場感や重厚感がないとのマイナス評価です。
これについては、開発者自身も「音が良いわけではない」と明言しており、それでも難聴を抱える方にとっては聴きやすいので商品開発をしたと言う裏話もあります。
オーディオとして優れたスピーカーでないことは開発者も認めていることなのです。
ただし、蓄音機の音がいいと言う世代もいて、高音質だと評価する意見もわずかながら見つけることもできます。
価格帯と効果のバランスはどうか
当初15万円で販売されていた製品が現在19,800円まで価格が引き下げられたことは、製品の普及と広範なユーザー層へのアクセシビリティ向上の観点から大きな前進と言えます。
それでも一般的なスピーカーと比較すると割高感があることは事実ですが、難聴に悩む方々にとっては、この価格でも十分な投資価値があるとの評価が多く見られます。コストとベネフィットのバランスは、個々のユーザーの状況やニーズによって大きく異なる点が特徴的です。
テレビの音と一緒に出すといったアイデアも
興味深い口コミとしては、テレビと同時に音を出すのがいいという意見がありました。
難聴者はミライスピーカーの音に頼り、健常者はテレビの音で臨場感を味わうと言う両方のメリットを生かした使い方です。
ミライスピーカーは蓄音機の音に近いので、最近のテレビの重厚感ある音にはどうしても敵いません。低音の質ではテレビのサラウンドスピーカーの方が優れていると言えます。
もし健常者と同居していて使いたい場合は、テレビとミライスピーカーの両方から音を出すことを試してみるのもいかがでしょうか。
ミライスピーカーが難聴者に効果的な理由
ミライスピーカーが難聴者にとって聴こえやすい科学的なロジックはまだ解明されていません。
その中でも統計情報から割り出したミライスピーカーの性能を示す根拠について説明します。
詳しい解説については、開発者のYouTubeから確認することもできます。
「聞こえる音」ではなく「理解できる音」へ
難聴を抱える人であっても音が聴こえないわけではありません。
難聴を抱える人も音が聴こえないわけではなく、単語を識別して理解するのが困難らしいのです。
ミライスピーカーは、この「聞こえる」と「理解できる」のギャップを埋める技術として機能しています。
この単語の聴き取りに効果を発揮するのが、ミライスピーカーです。
ブラインドテストでは単語の認識率が30%向上
被験者を集めてブラインドテストを実施したところ、単音(文字一文字)の聴き取り精度がミライスピーカーでは30%向上したと言う実証結果が出ています。
どちらがミライスピーカーの音であるかは伝えなくても、単語の聴き取り能力がはっきりと向上したのです。
雑踏の中での聴き取り能力が全体的に向上
駅のホームやショッピングモールで、わいわいがやがやとした雑踏のなかでミライスピーカーの効果があらわれています。
百貨店や鉄道関係者では、実際にミライスピーカーを導入し始めるという動きがあります。
特に、大きな被害を生んだ震災時には、防災放送が聴き取れなかったと答える被災者が多くいました。
このような問題を解決するためにも、ミライスピーカーによるバリアフリーが実現できる未来が来るかもしれません。
ミライスピーカー・ミニを試すなら公式サイト
ミライスピーカー・ミニには様々なデメリットがあることが分かりました。また、ミライスピーカー・ステレオにすることで幾つか解決できるデメリットもあります。
ただし、デメリットがある一方で、ミライスピーカーは難聴を抱える人にとっては夢のようなアイテムになる可能性も秘めています。
そこで、どうしても一度試してみたいと考えている方には、公式サイトで購入して、自分にあわなければ返品する方法も考えられます。ポイントはこちらの公式サイトから購入することです。

Amazonから購入してしまうと、返品交換が少しだけ複雑になります。
公式サイトから購入すると60日間の返品期間が設けられているので、試しに使ってみて音質に不満があるようなら公的な手段で返品しても良いでしょう。返品方法はこちらから確認することができます。https://soundfun.co.jp/guarantee?_ga=2.171728808.901310861.1726736130-1702149833.1726736130
返品交換の難しいAmazonの販売サイトはこちら
Amazonでは発送と到着が早いのがメリットですが、公式ページに記載された返品は行っていません。
ただし、Amazonの返品・交換手続きが可能であれば、返品できる可能性はあるため、詳しくはこちらをご確認ください。自己都合での返品は別途送料がかかることもあります。https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=G6E3B2E8QPHQ88KF
ミライスピーカーの口コミ・評価が別れるのは仕方のないこと
ミライスピーカー・ミニには多くのデメリットはありますが、テレビの音が聴こえやすくなったという意見が多くあります。
デメリットについても理解したうえで購入した方にとってはバリアフリーを実現する魔法のようなスピーカーになり得る可能性はあるでしょう。
老人ホームでの利用や同居家族のテレビのボリュームが大きくて困っている場合には、ミライスピーカーは素晴らしい効果を発揮してくれるかもしれません。

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