スーパーツイーターを使ったことがある方なら分かるかと思いますが、スーパーツイーターを追加すると音の透明感が増すんですよね。でも、その効果って実はスーパーツイーターの性能じゃないかもしれません。この記事では、なぜスーパーツイータに効果がないのか?スーパーツイーターを追加すると音がよくなる理由について説明します。
スーパーツイーターの効果
スーパーツイーターの効果は、2万Hz以上の人の耳には聴こえない超音波を再生するための特別なツイーターです。一般的なツイーターは2万Hz程度の音域を想定して作っているため、ハイレゾ音源を再生しても音が割れて聴こえる可能性もあります。
また、音がなめらかになり聴きやすくなる効果もスーパーツイーターにはありますが、その理由については後述します。
スーパーツイーターに効果がない理由
スーパーツイーターを使うと音がよくなったとはっきり感じる方が多いかと思います。しかし、僕はスーパーツイーターを使う必要はないと考えている立場であるため、スーパーツイータに効果がない理由をきっぱりとお伝えさせていただきます。
スーパーツイーターとは2万Hzを超えた出力装置
高音域に特化したスピーカーユニットで、超音波(人間には聴こえない高音域)に分類される2万Hzを超えた音域まで再生するスピーカーユニットです。ケーブルで市販のスピーカーと繋ぐだけで簡単にセッティングできる人気の製品です。
2万Hz以上はCDに録音されていない
CDのサンプリング周波数は44.1kHz。サンプリング周波数の仕組みにより、音の周波数はサンプリング周波数の1/2程度しか記録できません。2万Hz以上のデータはサンプリング周波数44.1KHzのCDでは不可能なんです。なので、CDやスマートフォンの音源を再生するにはスーパーツイーターの意味はないと断言できます。
2万Hz以上は人の耳では聴き取れない
人間の可聴域は20Hzから2万Hzだと言われています。僕もYouTubeの耳年齢テストを試したことがあるのですが、1.5万 Hz以上の音は聴き取れないですし、モスキート音も聴き取れません。モスキート音を聴き取れる若い耳でなければスーパーツイーター に効果はありません。
存在しない音域を再生するのがスーパーツイーター
CDやスマホの再生にスーパーツイーターを追加することに意味はまったくありません。2万Hz以上の超音波は再生されることがないからです。しかし、スーパーツイーターを追加したら音に透明感が出ることも実は本当のことだと思います。このスーパーツイーター を追加すると音がよくなる謎について、次の項目で説明します。
スーパーツイーターに効果を感じるのは勘違いではない
CDやスマホを使っているユーザーにとって2万Hzを超える超音波の再生に意味がないことは間違いありませんが、スーパーツイーターで音がよくなると感じる方がいることも間違っているわけではありません。
スーパーツイータを使うと、音が滑らかになり、高音域に伸びが出て、うっとりとしてしまう方も多いかと思います。
理論上は効果がないはずなのになぜスーパーツイーターを使うと音が良くなるのでしょうか?
スーパーツイーターに音質アップの効果がある3つの理由
1万Hz以上の高音域を強調する効果がある
2万Hz以上の超音波にこそほとんど効果はありませんが、スーパーツイータで再生しているのは超音波だけではありません。ハイハットやシンバルなどの金属音が強調されるようになるため、スーパーツイーターを追加するときらきら感が増すかと思います。ただ、強調しすぎた高音域で耳が痛くなる可能性もあるので抵抗器を使ってボリュームを抑えることをオススメします。
コンデンサの効果で音質が高まっている
スーパーツイーターの効果を高めているのは、実は付属で付いているフィルムコンデンサの効果だと思っています。スーパーツイーターにはローカット(低音域カット)のためにコンデンサを付けなければ機械が壊れてしまいます。フィルムコンデンサにはスピーカーの音に透明感をつける効果があります。もし、所有しているスピーカーの内部パーツが電解コンデンサならば、フィルムコンデンサの追加によりうっとりとする滑らかな音へと変わった可能性が高いかと思います。実際にスーパーツイーターの代わりに音の出ない抵抗器に変えたとしても透明感のある音に変わると思います。
振動板の素材が優れている
高額なスーパーツイーターであれば普通のスピーカーでは考えられないような高級な振動板(音を出力する素材)を使っている場合があります。確かに素晴らしい素材を使っていれば音も美しくなることでしょう。ただ、スーパーツイーターに高額なお金を支払うなら、まず先にスピーカー本体を買い直した方が効果は高いと思うのが個人の感想です。スピーカー本体に比べたらスーパーツイーターの効果は薄いかと思います。
スーパーツイーターの効果を感じたいならフィルムコンデンサを使うとよい
今回の話は15kHzまでしか聴き取れない僕の駄耳での話ではあります。ただ、2〜3万円の普通のオーディオでは、内部に使っている電子パーツは数十円の電解コンデンサがほとんどです。電解コンデンサの音質が絶対に悪いというわけではないですが、フィルムコンデンサの透明感に比べるとはるかに劣るかと思います。スーパーツイーターを試す前にまずフィルムコンデンサに変えてから試してもいいと思いますよ。
フィルムコンデンサを追加するならパラレル接続
ちなみに、2、3万円のスピーカーでは電解コンデンサで音を整えているので、フィルムコンデンサに変更すると全体のバランスが崩れます。もし、チューンアップするなら電解コンデンサにパラレルでフィルムコンデンサを付けるといいかと思いますよ。0.1μF程度の小容量のフィルムコンデンサを電解コンデンサと並列接続になるように追加します。個人的にオススメするのはムンドルフです。
スーパーツイーターの効果を信じてセッティングをするなら
どうしてもスーパーツイーターを試してみたいと思う気持ちも分かります。僕もスーパーツイーターをすべて否定しているわけではありません。先に試すべき方法があると伝えたいだけです。
そこで、もし僕がスーパーツイーターを設置するならどうするかお伝えします。
レコードやSACDで再生する
まず、超音波の録音しているソースを使わなければなりません。CDのようなデジタルとは違い、アナログのレコードでは高音域の限界はありません。また、SACDやブルーレイなどのハイレゾは超音波まで録音しています。まず再生環境を整えましょう。
10万円以上の高級スピーカーを使用する
超高音域から素晴らしい音が出ていたとしても、2万Hz以下の音域でスーパーツイーターに負けていては意味がありません。スーパーツイーターよりも先にスーパーツイーターに負けない音の出力装置を用意しましょう。
スーパーツイーターの音は聞こえないものと割り切る
人間の可聴域は20Hz〜2万Hzです。僕もYouTubeの聴覚テストでは15kHzまでしか聴こえていませんでした。スピーカーに付いているツイーターで十分に人間の可聴域はカバーできています(電解コンデンサでは高音域はカスれますが)。聴こえない音の空気感を楽しむために購入したのだと割り切る気持ちは大切だと思いますし、その考え方が僕は好きです。
スーパーツイーターの効果を感じる前にまずはフィルムコンデンサを試す
スーパーツイータの効果についてこの記事では説明しました。技術的に説明不足の点もあるかと思いますが、なんとなく理解していただけると嬉しく思います。スーパーツイーターを試す前にまずは付属で付いているフィルムコンデンサのを効果を確かめてみましょう。
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