オーディオ入門講座7:スピーカーユニットの種類

スピーカーユニット オーディオ入門講座
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安いスピーカーと高級なスピーカーではなにが違うのかと疑問に持つ方も多いかと思います。

スピーカーを選ぶ際にもっとも重要視したいのが、電気信号を音波へと変換しているスピーカーユニットの性能です。

スピーカーユニットによって音の滑らかさや繊細さなども大きく変わってくるんですよ。

そんなスピーカーユニットの種類について、ざっくりと確認しておきましょう。

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スピーカーユニットとは

スピーカーユニットとは、写真のように箱型のエンクロージャーに納められる個別のスピーカーです。

スピーカーの命とも言える、電気信号を音波へと変える役割を担います。

家電量販店ではほとんど見かけませんが、自作スピーカー愛好家のためにスピーカーユニット単体でも販売されているほどなんです。

ダイナミック型

主にボイスコイルを用いて、電気信号を音波に変える装置がダイナミック型のスピーカーユニットです。

後述するリボン型やコンデンサー型とは違い、量産化しやすく一般的なスピーカーに搭載されます。

ダイナミック型の仕組み

ダイナミック型の仕組みは量産化をしやすく安価に製品を作り上げることができます。

マグネットとボイスコイルを持ち、電磁力を利用することで振動板を前後に動かすことで音を出しています。

理科の実験でも習ったフレミング左手の法則を代表とする、ローレンツ力によってダイナミック型のスピーカーは電気信号を音に変換しているのです。

工業製品としても流通数が多いため、安価なスピーカーに代表される仕組みです。

ダイナミック型の種類

コーン型

コーン型は、円錐状の形をした振動板が特徴で、主に低音域の再生、またはフルレンジユニットに用いるスピーカーユニットです。

後述するドーム型やホーン型とは違い、前後に激しく揺さぶることができるため、低音域の再生に優れています。

8〜16cmの大きさを有するのが一般的で、最近ではモバイル用の小さなものも主流になりつつあります。

かつてはタンスのように大きなスピーカーに32cmを超えるコーン型のユニットを搭載するのが主流であった時代もあります。

ドーム型

ドーム型は、半球状の形をした振動板が特徴で、主に高音域の再生に特化したスピーカーユニットです。

ホーン型のように前後に激しく揺さぶることはできず、コンデンサーによって必ずローカットをしなければツイーターが破壊されてしまいます。

マルチウェイスピーカーのツイーターとして使われるのが一般的で、安価なスピーカーのツイーターにはドーム型のスピーカーを搭載しているのがほとんどです。

後述するリボン型、コンデンサー型スピーカーに比べて音質が劣ると言われています。

ホーン型

ホーン型については、実は振動板の特徴ではありません。

振動板には、ドーム型やコンデンサー型などを用いるのですが、その特徴はラッパのように広がりのある形状にあります。

メガホンや拡声器などにも用いられる形状で、音の指向性を高めて小さな音であっても高能率に再現することが可能です。

代表的なJBLのスピーカーのように、ツイーターに用いる形状をフロントロードホーンと呼び、低音域の増量のためにエンクロージャー内にホーンを用いるのをバックロードホーンと呼びます。

リボン型とコンデンサー型

ボイスコイルを用いたダイナミック型とは違い、金属リボンやコンデンサーを用いたスピーカーユニットです。

10万円を超える高級機に搭載されることがあります。

リボン型

リボン型ツイーターとは、ドーム型ツイーターに比べてはるかに薄い振動板を利用することで、繊細な高音域を流すスピーカーユニットです。

厳密にはダイナミック型に分類されますが、短冊状の金属リボンが振動板と一体となっており、ドーム型とは違いボイスコイルを必要としません。

能率こそ低いものの音の広がりに特徴があり、超高音域まで再生することができる高級機に使われています。

コンデンサー型

コンデンサー型スピーカーは、コンデンサーのような静電現象を利用するスピーカーです。

ホーン型のようにボイスコイルを必要とせず、フラットに作り上げた面全体から音を発します。

箱型のエンクロージャーではなく、平面スピーカーとして販売していることがほとんどであり、有名なのがQUADのスピーカーです。

録音マイクでも、ダイナミック型とコンデンサー型があるように、その繊細さでコンデンサーマイクも人気を集めています。

クラシックをうっとりと楽しむには一度は試してみたいスピーカーです。

おまけ:新技術を使った新しいスピーカーユニット

磁性流動体という新しいスピーカー

磁性流体とは、磁石に反応する液体のことですが、これをスピーカーに導入したユニットもあります。

僕はまだ仕組みをあまり理解していないのですが、ダイナミック型のボイスコイルを支えるダンパーを磁性流体に置き換えたものとのこと。

音を聴いてみると分かるのですが、音の歪み成分が抑えられてレスポンスの良い音になるという特徴があります。

この磁性流体を用いているのが、DALIのスピーカーや最近のSONYのスピーカーです。

SONYのモバイルスピーカーの音質が向上しているのも、この磁性流体を採用したことにあると思っています。
僕もモバイルスピーカーで唯一持っているのが、SONY製品だったりします。

スピーカーユニットの性能に興味がある人は、SONYのモバイルスピーカーも一度試してみてください。

磁性流体を使ったDALIのスピーカーはこちら。

スピーカーユニットにこだわった製品は高級機に多い

今回、紹介したようにスピーカーも様々な仕組みで高音質を目指しています。

リボン型やコンデンサー型など試してみたいスピーカーも多くあります。

なかでも気になる最新技術が、磁性流体を用いたスピーカーユニットです。

DALIやSONYなど販売数を伸ばしているとおり、滑らかでスピード感のある音にほれ込む方は増えるのではないでしょうか。

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